大分市の山下クリニックの山下徳治郎先生がサイトをリニューアルされました。
「痛み」と「不定愁訴」の治療を前面に打ち出されています。
九州地区ではトリガーポイント治療をされる医療機関が少ないので
サイトのリニューアルを契機に
山下先生がますますご活躍される事と期待しています。
山下クリニック⇒
痛みを緩和する上で重要な視点は次の二つです。
① 痛む場所に原因がない「関連痛現象」をチェックする。
② 痛みの連鎖反応をたどり、痛みの元に迫る。
「関連痛」についてはトリガーポイント研究所の本文で詳しく述べていますので、
そちらを参照して下さい。 「関連痛」ってなに?⇒
さて、二つ目の視点の「痛みの連鎖をたどる」という事について考えてみたいと思います。
身体は内外の変化や障害に対して、ユニットとして対応しますので、
身体のどこかにトラブルが発生すると身体全体に何らかの変化が生じます。
その変化には一定のパターンがありますので、
変化をチェックすることでどのような連鎖が起きているかを推定することができます。
例えば、大胸筋や小胸筋にトラブルが発生し、筋の緊張やトリガーポイントが生じた場合、
上背部の筋が引っ張られて緊張するという連鎖が生じます。
背部に凝りや痛みを感じるようになり、その部位を指圧したりマッサージしてもらうと
とても気持ち良く感じますし楽になってきます。
しかしその効果は一時的で、またすぐに凝りや痛みを感じるようになります。
これは背部の緊張が胸部の筋のトラブルによって引き起こされた二次的なものだからです。
この場合、痛みや凝りは背部で感じていても、胸部の筋を処理することで、
背部の筋に触れることなく背部の緊張は緩和します。
そこで、背部の筋は「子ガメ」で胸部の筋が「親ガメ」と考えて下さい。
親ガメ(胸部の筋)がこけたら子ガメ(背部の筋)もこけるのです。
さらに背部の筋の緊張によって後頭部に痛みを感じていたとしましょう。
この後頭部の痛みは「孫ガメ」にあたります。
後頭部が痛むからとマッサージすると確かに気持ちいいし、痛みも緩和してきます。
しかしその効果は一時的で、またすぐにほぐさなければならなくなります。
このような連鎖の時は「親ガメ」である胸部の筋を弛めると
「子ガメ」も「孫ガメ」もこけて、後頭部の痛みは楽になります。
このように障害の連鎖を把握することは痛み治療において重要な要素です。
いま痛みを感じている所だけにとらわれず、連鎖をチェックして、
元となっている障害に近づいて行くことが大切です。
現在の痛み治療には多くの方が疑問を持っていると思います。
しかし、それを何とかしようと、実際に行動を起こしている方は少ないでしょう。
腰痛患者の撲滅を目指す「グリーンライトネットワーク」という組織があります。岩手県奥州市在住の高橋直子さんが代表をされているボランティア組織で、腰痛の見方や考え方を変えるという「認識療法」や、操体法や自力整体法などの運動療法の普及活動をされています。
私も以前少しだけお手伝いをさせて頂いた関係で、このほど代表の高橋さんから「腰痛患者さんのためのガイドブック」をプレゼントして頂きました。
主な内容は次の通りです。
1,腰痛患者は増え続けている!
2,現代の腰痛治療に決め手はない!?
3,今まで言われてきた腰痛常識は本当?
4,腰痛の常識を検証してみましょう。
5,専門家の見解
6.腰痛診療ガイドライン
7.腰痛になっても安心!安全!ほとんどの腰痛は自然治癒します!
8.「イエローフラッグ」とは??
9.もし腰痛が発症したら・・・
10.イエローフラッグを減らしましょう!
11.腰痛克服の為のゴールデンルール
これを読むと腰痛への恐れや不安が減り、腰痛克服への希望が見えて来ると思います。
私も治療の中で「認識療法」を重要視していますが、このような活動が拡がることを切に願います。
~猫背を引き起こし様々な症状へと連鎖する~
トリガーポイント研究所には様々なご相談が寄せられますが、
腰痛に次いで多いご相談が首や肩の症状です。
首や肩の症状には胸部の筋の影響が大きいのですが、
セラピーにおいて「胸部」の治療は軽視されているように思います。
胸部には「大胸筋」「小胸筋」「鎖骨下筋」などがありますが、
これらはいずれも腕や肘、手や手指まで痛みを放散したり、しびれ感を生じさせたりします。
また、「大胸筋」や「小胸筋」が緊張しますと、肩が前方に引っ張られて、猫背気味となります。猫背になりますと首が前傾した状態となり、首周囲や肩の筋肉に過負荷が掛かるようになります。皆さんも肩を前に突き出して猫背になってみて下さい。首が真っ直ぐになりにくくなるのを感じるでしょう。
この姿勢の為、首や肩が凝りやすくなりますし、首や肩の筋は「めまい」「ふらつき」「頭痛」「顎の痛み」「耳鳴り」など様々な症状を引き起こします。また気分の落ち込みにも関与していて、うつ的な症状も現れてきます。つまり症状の連鎖が始まると言うことです。
その意味で胸筋のマッサージをして緊張を緩め、自然と首が真っ直ぐになる姿勢を保つようにする事は重要です。
下図は大胸筋のトリガーポイントを表していますが、大胸筋は上腕骨-鎖骨、上腕骨-胸骨、上腕骨-肋骨につながっています。この図を見ながら、腕から鎖骨にかけてのライン、腕から胸骨にかけてのライン、腕から肋骨にかけてのラインをマッサージされて下さい。

イラスト図 出典:『Myofascial pain and Dysfunction The Trigger Point Manual』 より引用
トリガーポイント研究所の活動を応援して頂ける
「サポート会員」と「賛助会員」の募集をしていますが、
思いがけず多くの方に賛同を頂いています。
関東へ出かける事ができる資金をお預かりする事ができましたので、
今年の秋には関東地区で一般の方向けのセミナーと
治療家の方を対象とした勉強会を開催しようと考えています。
現在、神奈川県在住のサポート会員の方に
会場の手配をお願いしています。
日程や場所など詳細が決まりましたら
ご案内します。
筋筋膜性疼痛症候群(MPS)の考え方を取り入れた
整体講座を開催する運びとなりました。
トリガーポイント研究所には、痛みで困っている方々から
毎日、メールやお電話を頂いておりますが
そのほとんどが重症の方ばかりです。
トリガーポイント治療ができる医療機関や治療家の方をご紹介したいのですが
MPS研究会で紹介されている医療機関は全国で19ヶ所しかありませんし
トリガーポイントの視点で治療されている方の情報は残念ながら持ち合わせていません。
そこで何とか治療家の方々のネットワーク作りをしたいと思っていた矢先に
このようなお誘いを頂き、本当にありがたいと思っております。
今後、各地でトリガーポイント整体法の勉強会や講座を開催できれば
痛みで困っておられる方のお役に立つネットワーク作りができると思っています。
今回行いますトリガーポイント整体講座の募集要項は
下記のサイトでご案内しています。
関西地区の治療家の方々のご参加をお待ちしております。
トリガーポイント整体講座 募集要項⇒
構造的な異常と痛みの間にはっきりとした関係がみられないのに
手術によって構造的な異常を修復すると
痛みが解放される方がいるのはどうしてなのでしょう。
私の仮説ですが、下記の3つを考えています
①プラシーボ効果(偽薬効果)
プラシーボ効果とは、何の薬理効果がないはずのものでも
心理的な要因などが関わって効いてしまうという現象です。
しかし、多くの研究で侮れないほどの効果を現す事がわかっています。
下記表は見せかけの手術や治療でも
すばらしい改善を見せた事を示すデータです。
例えば、一番上の研究は、腰下肢痛の症状で、
試験切開をしただけに過ぎないのに、
37%~43%の人に効果があったというものです。
従って私たちは「手術を受けた」という心理的な効果だけでも
痛みが軽減したり消失したりすることがあると言うことです。
②脳内リセット効果
「脳内リセット効果」というのは、日本医科大学のリウマチ専門医
吉野教授が提唱されているものです。
教授はリウマチ治療の研究の一環として
大笑いや大泣きで脳がリセットされて
ストレスホルモンが低減することを確認されています。
また、それと同様の効果があるものとして
手術などに於ける全身麻酔を挙げられています。
この事は全身麻酔を受けることで、
脳内で悪循環していた痛みがリセットされて
痛みが軽減もしくは消失することを示しています。
③構造の異常が修復された事による効果
徒手治療のオステオパシーの治療原則は次の通りです。
1,人体は一つのユニットである。
2,人体の構造と機能は相互に関連する。
3,人体は自己管理、自然治癒力を持っている。
身体は一つのユニットを作り上げていて
構造と機能が相互に関連するとしているということは
機能の障害は構造の変化として現れますし
構造の変化は機能障害として現れる事があると言うことです。
つまり、椎間板ヘルニアなどの構造の異常は
直接的な痛みの原因ではないとしても
機能的な障害をもたらしている可能性はあります。
そして手術によって構造の異常が正されたとき
機能障害が回復し、機能障害によって阻害されていた治癒力が改善し
痛みが軽減もしくは消失している可能性もあると考えます。
これまで「腰痛」や「膝の痛み」で検討したように、
構造上の異常と痛みの関係ははっきりしませんし
次のような研究もあります。
一つ目の研究は、1年間に亘って、腰部をMRIで繰り返し撮影したという研究です。
この調査期間中に腰痛を発症した人がいたのですが、
MRI所見には異常が見られませんでした。
つまり繰り返し撮影していたにも関わらず
痛みの原因は見えなかったという事です。
画像診断と腰痛との間には関連性が見られないという研究が数多くあり、
二つ目の研究もこの事を裏付けています。
画像診断で痛みの原因がわからないのに、
我が国ではまだまだX線撮影が行われています。
そして、我が国のX線撮影は他の先進諸国に比べて異常に多く
イギリスの医学雑誌ランセットでは、
その為に日本ではX線被曝による「ガン」が発症していると警告しています。
今回は膝の痛みと構造上の問題を検討します。
3)膝の痛みと構造上の問題
膝の痛みの原因としてよく耳にするのは
「半月板の損傷」と「軟骨のすり減り」でしょう。
そこで、まず「半月板損傷」について検討しましょう。
上記スライドのように、60歳以上では41.7%に半月板に断裂が見られます。
従って、半月板に断裂があるからと言って、
それが膝の痛みの原因だとは言えないということです。
次に「軟骨のすり減り」について検討しましょう。
この記事は昨年の11月に発行されました健康雑誌「日経プルミエ」の中で
聖路加病院の星川先生が述べられているものです。
膝の痛みや股関節の痛みの原因として
「軟骨がすり減り」が原因だと思っておられる方はとても多いので
この記事に驚かれた方は多いのではないでしょうか?
また、「軟骨のすり減り」が、加齢や使いすぎだと思っている方も多いようです。
このスライドはNHKのためしてガッテンで取り上げられた内容です。
先ほどのスライドにもありましたように
軟骨は血管がありませんので、
周囲の体液に老廃物を渡し、
体液から酸素や栄養分を得ています。
何らかの原因で軟骨周辺の組織が緊張したり
硬くなったりしますと、
軟骨細胞は老廃物を除去できなくなり、
低酸素、低栄養状態に置かれます。
この為に軟骨細胞が死滅して行きます。
従って
「軟骨のすり減り」⇒「膝の痛み」ではなく
「膝周囲の組織の緊張」⇒「軟骨のすり減り」
⇒「膝の痛み」・・・なのです。
「腰痛の時は安静にしなければ・・・」など
私たちがよく耳にする腰痛の常識は本当なのでしょうか?
腰痛常識の代表的なものを検証する事で
腰痛治療の正しい在り方が見えてきます。
今回のシンポジウムでは次の5つの項目を検証しました。
①腰痛は加齢と共に増える(歳のせい)
②腰痛の時は安静が一番
③椎間板ヘルニアが腰痛の原因である
④椎間板などで神経が圧迫されて痛みが出る
⑤腰痛の改善には手術が最も効果がある
①腰痛は加齢と共に増える(歳のせい)
このグラフの横軸は年齢を表しています。
グリーンの棒グラフ⇒椎間狭小(椎骨と椎骨の間が狭くなるという構造的な変化)
オレンジの棒グラフ⇒骨棘形成(骨にトゲのような組織が出来てくる構造的な変化)
赤色の折れ線グラフ⇒腰痛の初発年齢(何歳の時に初めて腰痛をおこしたか)
青色の折れ線グラフ⇒腰痛の保有率(現在腰痛を感じているか)
棒グラフの構造的な変化は、年齢層が上がるに従って、
ほぼ右肩上がりに上昇しています。
しかし、腰痛の初発年齢や保有率は年齢と共に上がっているわけではなく
30代、40代あたりにピークがあり、
50代以降は減る傾向にあることが分かります。
つまり、構造的な変化と腰痛の関連性はイコールではないと言うことです。
②腰痛の時は安静が一番
腰痛に限らず、まず指導されるのは「安静が一番!」ではないでしょうか?
しかし、多くの研究で指示されているのは
「出来る範囲で普段通りの生活を続ける」という事です。
痛みの為に会社も休み、家事もお休みして
家でじ~っとしていますと
どうしても痛みの方に意識が行きますし
活動範囲が狭くなりますので、身体が硬くなります。
体液の循環が悪くなり、老廃物が蓄積しますし
細胞は低酸素、低栄養状態になります。
これらはいずれも発痛物質を作り出しますので
痛みの悪循環が始まります。
③椎間板ヘルニアが腰痛の原因
これは腰痛がない無症状の方を対象とした研究です。
痛みが無いのにも関わらず、
椎間板ヘルニアは76%にみられ、
椎間変性は85%にみられます。
従って、腰痛で受診した場合はかなりの確率で
腰椎の異常が見つかるということです。
また、椎間板の変性は3歳からみられると言う研究や
痛みがない10歳の児童を対象とした研究で
約10%に腰椎の変性がみられます。
ですから、腰椎の異常を直接的に痛みの原因と結びつける事は
慎重でなければならないと言うことです。
④椎間板などで神経が圧迫されて痛みが出る
椎間板ヘルニアが痛みを起こしている理由として
「神経の圧迫」と説明をされていますが
生理学では通常、神経の圧迫では痛みを起こすことはないとされています。
⑤腰痛の改善には手術が最も効果がある
腰痛を治すには、最終的には手術しかない!と思っている方は多いのではないでしょうか?
初めて椎間板ヘルニアの手術が行われたのは
1932年(昭和7年)だそうです。
その当時は神経興奮のメカニズムの解明が進んでいなかった事もあり
この手術法は世界中に広まって行きました。
ところが、ヘルニアが残っていても痛みが無くなってしまう人や
ヘルニアが消滅したにも関わらず、痛みが無くならない人も多く存在することから
ヘルニアと痛みの関連性は非常に疑わしいものとなっています。
その為上記のスライドのように、
以前は手術を熱烈に支持していたマイアミ大学は
手術を行わなくなってしまっています。
第1部は「痛み医療の現状と問題点」というテーマです。
1)日本の痛み医療の現状
生理学の研究者、熊澤孝朗(くまざわ たかお)先生は
愛知医科大学で設けられていました「痛み学講座」の中で
日本の痛み医療の遅れを指摘されています。
http://www.aichi-med-u.ac.jp/pain/
また腰痛治療の第一人者としてマスコミにも時々登場される
福島県立大学の菊池教授は
2008年10月に放送されたNHKの腰痛特集番組で
「腰痛の85%は痛みの原因が不明だったため
腰痛治療から逃げてきました」と率直に言われていました。
実は、画像診断の所見と患者さんが訴える症状は
15%ほどしか一致せず、85%は原因がよくわからないというのが現状です。
原因が分からないのですから確たる治療法もありません。
その為、さまざまな治療が行われたにも関わらず
「痛みの放浪者」が増え続けているのです。
MPS研究会の一般の方を対象としてシンポジウムが行われました。
9時からは「痛みが楽になるトリガーポイント療法」というテーマで
私からプレゼンをさせて頂きました。
今回はMPS研究会の加茂名誉会長(加茂整形外科院長)に
久しぶりにお会いすることが出来ましたし、
お電話やメールでしかお話しした事がなかった
木村会長(木村ペインクリニック院長)に初めてお会いでき感動の一日でした。
(佐藤 木村先生 加茂先生)
さて、今回のプレゼン内容を
当日使用しましたスライドでご紹介したいと思います。
多くはトリガーポイント研究所のサイトに書いている内容ですが
まだ書き込んでいない内容もお話しさせて頂きました。
1)プレゼンのテーマ
2)今回のプレゼンでお伝えしたかったポイント
痛みで困っている方の多くが経験されている内容です。
一つは腰痛で医療機関を受診したがレントゲンやMRIで異常が診られず
「とりあえず湿布と痛み止めで様子を見ましょう・・・」となったが
痛みが治るどころか、段々悪化したという例です。
もう一つは、「椎間板ヘルニア」と診断されて
手術を受けたが痛みが取れなかった例です。
このような場合、いずれもドクターショッピングを繰り返すようになり
そのうち、鍼、指圧、カイロプラクティック、など
代替医療の門を叩くようになります。
代替医療を受診すると、
「痛むところはここですね!
う~ん、凝ってますね~。痛いでしょう!」と
痛む場所を気持ちよく治療してくれます。
その時は気持ちよかったのですが結局痛みが取れず、
「痛みの放浪者」になって行きます。
なぜこのような事が起きるのでしょうか?
今回のプレゼンでお伝えしたいポイントは
①筋肉のトラブルは画像検査では分からない。
②痛むところに原因がない場合は
どんなに痛むところの治療を受けても改善しない。
という事です。
この2点を中心にトリガーポイント療法について
お伝えしました。
「痛みが楽になるセミナー in アクロス福岡」の開催まで
あと2週間弱となりました。
今日までに52名の申し込みがありました。
申し込み締め切りは25日になっていますが
定員が65名ですので、お早めにお申し込み下さい。
● セミナー開催の背景
私たち日本人が困っている症状のトップ3は
「腰痛」「肩こり」「関節痛」で、この症状で困っている人々は増え続けています。
これらの症状が一向に減らないのは、
現在行われている痛み医療に問題があると考えています。
痛みやこりの本当の原因を多くの方に知って頂くことで、
痛みを早く取り除き、何年も、何十年も痛みで苦しむという
不幸な状況を転換できると考えています。
●開催日時
2009年11月28日(土)14時~16時30分
●開催場所
アクロス福岡 2階 セミナー室2
福岡市中央区天神1丁目1番1号 TEL 092-725-9111
●受講料金
無料(参加申し込みが必要です)
●定員
65名
●主催
トリガーポイント研究所(http://trigger110.net)
申込先:info@trigger110.net TEL 092-201-1027
●申し込み締め切り
2009年11月25日
●内容
テーマ1 日本の痛み医療は遅れている
各種データを元に我が国の痛み医療の遅れを指摘します。
テーマ2 痛みの本当の原因はなんだろう?
痛みの原因が筋肉などに生じるトリガーポイントである事を説明します。
テーマ3 痛みを改善するトリガーポイント治療
トリガーポイント治療がどの様に行われるか?自分で出来る治療法も公開。
あと1週間となりました。
日本の痛み医療の現状や
トリガーポイントの治療法などについて
分かりやすくご説明致します。
日向市で行いますので
延岡市や宮崎市の方も是非ご参加下さい。
開催日時 : 11月14日(土)14時~16時30分
開催場所 : 日向市中央公民館
参加費 : 無料
お申し込みや詳しい内容はこちら・・・⇒クリック
テレビのCMでよく見ますのが
膝関節の痛みの改善をイメージさせるサプリメントです。
「ヒアルロン酸」「グルコサミン」「コラーゲン」などを摂る事で
軟骨の成分を補い、膝の痛みが楽になるような
イメージでCMが作られています。
しかし、はたして軟骨の成分を補って
痛みは楽になるのでしょうか?
実は関節の軟骨には神経線維がありませんので
軟骨が多少減った所で、痛みを感じるはずがないのです。
「日経ヘルス・プルミエ11月号」で
腰痛、肩こり、膝の痛みなどの特集がされていますが
その中で、聖路加記念病院 整形外科部長の星川吉光さんも
「関節軟骨には、血管も神経もないので
これがすり減る時に痛みは感じないのです」
と書かれています。
筋膜や腱などに出来たトリガーポイントは
あたかも頭蓋骨や関節などの「構造物」が
痛んでいるかのような痛みを起こします。
肩の僧帽筋は頭蓋骨が痛んでいるかのような痛みを感じさせますし
肩胛骨についています棘下筋は肩関節に深い痛みを感じさせます。
そして大腿部の大腿直筋や内側広筋は
階段の登り降り際に膝関節に痛みを作ります。
正座をするときに膝が痛む方は
膝裏のハムストリング筋のトリガーポイントが
起こしている場合が多いのです。
トリガーポイント研究所に膝の痛みで相談に来られる方のほとんどが
上記のサプリメントを利用された経験を持っておられまし、
医療機関で膝関節へのヒアルロン酸やステロイドの注射を
受けている方もおられます。
しかし、膝の痛みは関節へのこれらのアプローチでは取れません。
大腿部の筋や腱のトリガーポイントを指圧し
ストレッチすることで痛みは短期間で治まります。
ぎっくり腰を起こして以来、
長年にわたって腰の重さやだるさを訴える方は多いものです。
そして、1年に数度とか、数年に1度、
必ずぎっくり腰を起こすという悩みをお持ちの方もいます。
さて、このぎっくり腰はさまざまなきっかけで起きています。
・ちょっと腰をひねった時、
・椅子から立ち上がった時
・草取りをした後
・物を持った時に「ピキッ」と来た。
また、「朝起きた時に何となく違和感があり、それがだんだん強くなって動けなくなった。」
など、原因はっきりしない場合もあります。
痛みがひどい場合は、歩くこともままならなくなりますし
何とか歩けても、ちょっとした動作で痛みが走ります。
少し良くなって来ても、
「前屈みが出来ない」
「靴下がはけない、ズボンがはけない」
「寝返りができない」
などさまざまな障害がしばらくの間残ります。
これらの痛みは、お尻、仙骨、腰椎付近、
そして背中のあたりと腰から背中で感じます。
多くの場合、これらの痛む場所に
湿布を貼ってこの痛みを何とか緩和しようとします。
そこでトリガーポイントが起こす痛みの特徴である
「関連痛」を思い起こして頂きたいのです。
「関連痛」というのは、簡単に言いますと、痛む場所と原因の場所が違う現象です。
通常は痛む場所に原因があるというのが常識ですが
痛みの原因となるトリガーポイントが、
かなり離れた場所で痛みを感じさせることがあります。
※「関連痛」について詳しく知りたい方は⇒クリック
実はぎっくり腰の痛みもこの「関連痛」の目で見なければなりません。
ぎっくり腰の場合は、ちょっとした動きで痛みを発しますので
動診などで痛みの原因を掴むのが難しそうに感じますが、
ギックリ腰を起こした時の状況や、
痛みを防御する姿勢で、かなり的確に原因筋を把握することが出来ます。
ぎっくり腰を起こした原因がはっきりしていて、それが
「椅子から立ち上がろうとした時」
「草取りをした後で・・・」
「床に落ちた物を拾おうとした時」
などの場合は、腰で強烈な痛みを感じていても
多くの場合腹部や脚の筋に原因があります。
腰の強烈な痛みに目を奪われず
関連痛の目と、筋肉は収縮する時に痛むという原則で
原因となっている筋を見つけることが大切です。
50代以降の女性に多く見られるのが
膝関節の痛みと股関節の痛みです。
このやっかいな痛みには様々な筋が関与していますが
「大腿直筋」「内側広筋」「中間広筋」「外側広筋」の
大腿四頭筋のトリガーポイントが起こす
膝の痛みや股関節の痛みはよく見られます。
この4つの筋の中から今回は内側広筋が起こす
「幼児の夜間痛」を取り上げます。
相談に来られたのは可愛い7歳の女の子とそのご家族でした。
症状は2~3日おきに起きる夜間の足の痛みです。
この症状は3歳頃から始まり、
痛みの為に泣いて眠れないほどです。
もちろん、様々な病院を受診したそうですが、
どこでも原因不明とされて治療の方法がなく
もう4年間もつらい症状が続いています。
幼児では太ももや膝の痛み、お腹の痛みなどが
夜間に起きる事がよくありますが、
いずれも原因不明の「成長痛」とされています。
しかし筋筋膜性疼痛症候群(MPS)の目でこの症状を見ますと
内側広筋が起こす夜間痛だとすぐに分かります。
彼女に「大腿部で痛みを感じますか?」と聞きますと
「いいえ・・・」というお返事です。
この内側広筋がやっかいなのは
この筋は指圧をするなどの刺激を加えないかぎり
普段は痛みを感じない事が多いという事です。
彼女の場合もこの例に漏れず、
本人は痛みを感じていませんでしたが
内側広筋の中でもトリガーポイントが生じやすい部位に
圧迫を加えますと、顔をしかめて痛みがあることを訴えました。
虚血圧迫を数回加えますと痛みが軽減しましたので
ご家族の方に毎日この筋に優しい指圧をすることと
就寝前に15分ほど温湿布することをお願いしました。
それから数ヶ月が経過しましたが
その後は1回も夜間痛が起きていないというご報告がありました。
彼女の場合3歳頃に起きましたので
「痛い」とい表現をすることが出来ましたが
もっと幼い時期でもこの痛みは起きる事があるとされています。
従いまして、お腹が空いているわけでもない、
おむつが汚れているわけでもない場合に赤ちゃんが夜泣きする場合は
腹部や大腿部のトリガーポイントが起こしている痛みの可能性があります。
「痛み」を緩和するために大切な事は
毎日のホーム・エクササイズです。
特に長年痛みや凝りで苦しんでおあれる方、
ちょっとした運動や労働で痛みや凝りが出やすい方にとって
ホーム・エクササイズは欠かせません。
しかし世の中には様々な体操法や
自己治療法がありますので、
「腰痛にはどれをすればいいんですか?」
「どんなことをするのが効果的ですか?」
「トリガーポイントを弛める方法を教えて下さい」
と言ったご質問やご要望が毎日のように来ています。
そこで今回は「腰痛」「背痛」の為の
トリガーポイント・エクササイズをご紹介します。
これまで書いて来ましたように
腰痛や背痛には腹部の筋が重要な関わりを持っています。
ですから、「腰痛」「背痛」を緩和するには
お腹のトリガーポイント・エクササイズも併せて行います。
【トリガーポイント・エクササイズのやり方】
トリガーポイントを弛める方法としては
次のようなものがあります。
道具無しでも出来ますが、
テニスボールやゴムバンドを使うとより効果的です。
①虚血圧迫
(押すと「ズーン」という響くようなところは
じわーっと20~30秒押し続ける虚血圧迫で痛みを緩和します)
②テニスボール・マッサージ
(10秒間で2~3cmという、ゆっくりとした動きでほぐします。)
③ストレッチング
④虚血圧迫+ストレッチング
⑤等尺性収縮
⑥温湿布
エクササイズでは①~⑤を行って
その後温湿布やお風呂で温めるなどを行います。
【注意すること】
●強くし過ぎないこと、やり過ぎないこと。
テニスボールを当てたり、ストレッチをすると
縮んでいた筋が弛んでとても気持ちがいいものです。
その為、ついつい強くし過ぎたり、時間を掛けすぎたり
何度も、何度も行ってしまいがちです。
1回の虚血圧迫やストレッチは優しめに行い
回数も3回程度にして下さい。
そして1日に行う回数も3回程度にして下さい。
強くし過ぎたり、時間を掛けすぎますと
かえって筋肉に負担をかけたり、損傷をさせる場合がありますので、
この事を守っていただきますようお願いします。
【「腰痛」「背痛」のための
トリガーポイント・エクササイズ】
①腰背部のトリガーポイントを弛める。
1-1 まずテニスボールを絨毯の上か、お布団の上に置きます。
注)床の上では効き過ぎる場合があります。
1-2 仰向けになりながら、テニスボールの上に腰や背中を載せます。
1-3 膝を立てて、脚や肘や頭で体重をコントロールしながら
腰や背中をマッサージします。
注)マッサージのスピードは10秒間で2~3cmという
ゆっくりとしたスピードで行い、
ゴリゴリしないようにして下さい。
1-4 マッサージをしていると、
「ズーン」と響くような感じの所に出会う事があります。
この時は、その場所で動きを止めて、
20~30秒間やさしく押し続けます。
すると痛みが和らいできます。
和らいできましたら、もう少し強めに押して
痛みが和らぐのを待ちます。
これを2~3回繰り返して下さい。
1-4 腰背部をストレッチングする。
テニスボールをはずして、両膝を胸元に引きつけて
腰から背中をストレッチングします。
② 腹部のトリガーポイントを弛める
2-1 まずテニスボールを絨毯の上か、お布団の上に置きます。
注)床の上では効き過ぎる場合があります。
2-2 うつ伏せになりながらテニスボールの上にお腹を載せます。
場所は恥骨のすぐ上の辺りです。
この時ボールの指圧の効きが悪いと感じた場合は
上記の写真のように、タオルなどを折りたたんで
その上にテニスボールを載せて行います。
タオルの厚さで効き具合を調整して下さい。
2-3 腹部の指圧&ストレッチング
肘を立てて胸を起こして行きますと
腹部の筋が伸びてきますし、
お腹に当てたテニスボールが気持ちよく指圧してくれます。
身体を起こしたり、ゆっくりと左右に動かして
腹部を指圧&ストレッチングします。
2-4 次いで、肋骨の下の胃の辺りにテニスボールを移動して
上記と同様に行います。
※どちらも3回ずつほど行って下さい。
2-5 仕上げのストレッチング
テニスボールをはずして、
うつ伏せの状態から腕を立てて
胸をゆっくりと起こして行き、腹部をストレッチングします。
この時、お腹や腰を力を抜いて行うことと
骨盤の部分が床から離れないように注意して下さい。
また、胸を起こし難い場合は
出来るところまででOKです。
少しストレッチングするだけでも
充分に効果があります。
小中学生の頃から肩こりや頭痛があったという方がおられます。
子どもさんが訴える片頭痛の20%に腹痛発作(顔面蒼白、嘔気・嘔吐)が伴う事があり、
このような症状を「腹部片頭痛」とか「腹性頭痛」と言います。
しかも大部分の方は、成人になって片頭痛を発症する事が分かっています。
私はこの腹部片頭痛は消化器や腹部の諸筋の緊張が
起こしている可能性が高いと思っています。
実際、強い偏頭痛がある場合、
筋筋膜性疼痛症候群(MPS)で考えますと
「胸鎖乳突筋」「後頸部の諸筋」「僧帽筋」などのトリガーポイントをチェックしますが
それらのトリガーポイントを緩和しても
ほとんど痛みに変化がない事があります。
このような場合、腹部の諸筋を弛めますと
頭痛がウソのように軽くなることがあります。
また、このような症状を訴える方は
頭痛だけでなく、「腰痛」「肘の痛み」「膝の痛み」など
全身性の痛みを感じておられる方が少なくありません。
これらの症状の機序を次のように考えています。
腹部の諸筋や消化器に緊張があると、
腹圧が上がるため、横隔膜が充分に働けません。
その為呼吸の際、胸郭が充分に拡大せず、
肩で呼吸するようになります。
また腹部の諸筋の緊張は
肋骨を引き下げる事とになりますので
これも胸郭の拡がりを阻害し
肩呼吸をする事になります。
肩で呼吸をすると言うことは
呼吸補助筋の斜角筋、胸鎖乳突筋、僧帽筋、肩甲挙筋など
首肩の筋を緊張させます。
特に首の後側が強く凝ります。
これらのことは辛い肩こりや頭痛をもたらします。
さらに斜角筋の緊張は、腕への神経や血流を阻害するため
肩、肘、指先の痛みやこわばりを作るようになります。
また腹部の諸筋は腰背部に関連の痛みを作りますので
腰痛や背痛を感じます。
腰背部の筋は臀部や大腿部に痛みを作りますので
やがては臀部や大腿部、股関節、膝などにも痛みが出るようになります。
このようにして、腹部の緊張が
全身性の症状となっている可能性があります。
幼少時から頭痛や肩こりがあった方や
全身性の症状でお困りの方は、
腹部のマッサージやストレッチを行ってみて下さい。
1946年に小臀筋の前方部および後方部トリガーポイントが
下肢の外側面と後側面を下方に下る痛みの原因であることを発見しています。
もちろんいわゆる坐骨神経痛と言われている症状は
小臀筋だけでなく、中臀筋や梨状筋などが起こす痛みも含まれていますので
実際の診断の際は、どの筋のトリガーポイントが関与しているかを診なければなりませんが
60年以上も前から、これらの筋が
お尻や脚の方へ痛みを感じさせる事が分かっていたのです。
本日トリガーポイント研究所に相談に来られた方は70代の女性で、
立っているとお尻から脚にかけて怠さや痛みがでると言うことでした。
すでに3年前に股関節の痛みがひどく
股関節の置換手術を受けられています。
股関節の痛みは無くなったが
腰から脚の痛みは変わらないというご相談でした。
臀部の諸筋に強い緊張がみられ
ハムストリング筋や大腿四頭筋
そして下腿の筋も硬直していて
脚から力が抜けない状態です。
これらの筋に等尺性収縮を行いましたら
ふ~っと緊張が緩みました。
「身体全体が軽くなりました!」と喜ばれていました。
このような症状で困っている方は
全国では相当な数に上ると思われます。
一日も早く全国各地でトリガーポイントに目を向けた
治療が行われる事を願ってやみません。
坐骨神経痛についてはトリガーポイント研修所の
5-2 誤診されてきた筋・筋膜痛 を参照してください。
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趣味は五十の手習いで始めた写真撮影。
カイロプラクティック、オステオパシー、整体法、心身医学などの研究を通して、故ジョン・F・ケネディ大統領の主治医だったトラベル博士と、航空宇宙医学の研究者だったサイモン博士が発表した「筋膜痛と機能障害」の論文に出会い、トリガーポイントの存在を知る。
その後、トリガーポイント・ブロックで治療を行われている、石川県小松市の整形外科医、加茂淳先生に出会い、痛みの原因がトリガーポイントにある事を確信する。
トリガーポイントの考え方を整体法治療プログラムに取り入れた、「トリガーポイント整体法」と、自分で痛みを軽減する「トリガーポイント・エクササイズ」を開発し、後進の育成に力を注いでいる。
また、トリガーポイントの事を多くの方に知って頂く事が、痛みで苦しんでいる方々に光と希望を与え、痛みを軽減する事になると、講演会などを通じて啓蒙活動を行っている。