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このブログは痛みで困っている方に 笑顔を取り戻して頂きたいという思いで綴っています。
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「痛みが楽になるセミナー」

2011年4月9日(土)、愛知県名古屋市で一般の方を対象として「痛みが楽になるセミナー」を開催します。

「痛みとトリガーポイント治療のワークショップ」

2011年4月10日(日)に同じく名古屋市で、「痛みとトリガーポイント治療のワークショップ」を行います。 これは今回初めての企画ですが、治療家の方を対象として、痛み治療のあり方についてのワークショップを開催します。

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先日ご紹介した「痛みが楽になるセミナー in 京都」は定員の15名に達しましたので、募集を締め切らせていただきます。
京都での「痛みが楽になるセミナー」は、江原鍼灸整骨院の江原院長が、2~3ヶ月に1回くらいのペースで、定期的に開催していただけるとのことですから、今回間に合わなかった方は、次回のセミナーまで少しお待ち下さい。

このセミナーは筋筋膜性疼痛症候群、不定愁訴、線維筋痛症などの改善法について知っていただく為のものですので、今後も多くの方に参加していただきたいと思います。


関西地区では初めてとなる「痛みが楽になるセミナー」が
京都市中京区の江原鍼灸整骨院で開催されます。

今回の講師は江原鍼灸整骨院 院長 江原吉昭先生です。

江原先生はトリガーポイント針治療の第一人者
黒岩共一先生の門下生で、
長年痛みとトリガーポイントの研究をされております。

痛みで困っておられる関西地区の方は是非ご参加下さい。

開催日時:2011年2月27日 13時~15時
開催場所:
江原鍼灸整骨院(マップ) ※公共の交通機関をご利用下さい。
受講料:無料(収容人数に限りがありますので、お申し込みが必要です)
講師: 江原吉昭院長

セミナーの主な内容

  1. 日本の痛み医療の問題点と痛みの原因(痛み医療の問題点と痛みの本当の原因について解説します。)
  2. 痛みを改善するトリガーポイント治療(トリガーポイント治療がどの様に行われるかを事例を基にご説明します。)
  3. 自分でもできる痛み治療(トリガーポイントを自分で弛めるエクササイズを指導します。)
お申し込み先 電話:075-463-8639
         Email:ebara_se@ybb.ne.jp

トリガーポイント研究所も全面的に協力して取り組んでおります。
皆さまのご参加をお待ちしています。


秋田県大館市の「かねた整骨院」の金田先生が、
トリガーポイント研究所の活動にご賛同いただき、
賛助会員へのお申し込みを頂きました。

関東以北では初めてのお申し込みでしたので嬉しい限りです。
これから東北地方で筋筋膜性疼痛症候群の考え方が広がることを心から願っています。

現在トリガーポイント研究所のサイトのシステムを変更中ですので
サイトでのご紹介が送れますことをお詫び致します。


これまで社会的に認められていた説が覆される事を「パラダイムシフト」とか「コペルニクス的転回」などと呼ぶ事があります。

「コペルニクス的転回」と呼ばれるのは、パラダイムシフトの例として、古代から信じられてきた「天動説」が「地動説」に変わったという歴史がよく知られているからでしょう。

Wikipediaにもパラダイムシフト例としてこの事が挙げられています。

まず旧パラダイム(例:天動説)が支配的な時代は、多くの人(科学者)がその前提の下に問題解決(研究)を行い、一定の成果を上げるが、その前提では解決できない例外的な問題(惑星の動きがおかしい)が登場する。このような問題が累積すると、異端とされる考え方の中に問題解決のために有効なものが現れ、解決事例が増えていくことになる。そしてある時期に、新パラダイム(地動説)を拠り所にする人(科学者)の数が増えて、それを前提にした問題解決(研究)が多く行われるようになる。以後、以上の動きが繰り返される。

地動説は紀元前280年にアリスタルコスが科学的レベルで説明し、コペルニクスの登場まで1800年間はこの説が信じられていたようです。

コペルニクスが「天動説」を1510年に発表しましたが、その説はなかなか受け入れられる事無く、ケプラーの「ケプラーの法則」や1687年にニュートンが「自然哲学の数学的原理」を発表する頃までは定説では無かったようです。そうしますと天動説が発表されて定説のなるまで180年近くかかっている事になります。

では、これを「腰痛」にあてはめてみましょう。
腰痛の原因として「椎間板ヘルニア説」が世に現れ手術が始まったのが1932年と言われています。これを「腰痛の地動説」としましょう。

Wikipedianiの「パラダイムシフト」の説明にもありますように、この手術は「一定の成果」を上げた為その後も支持され現代まで引き継がれて来ています。

一方、トラベルとサイモンズが筋筋膜性疼痛症候群(MPS)の書籍を発表し、痛みの多くが筋筋膜のトラブルであると発表したのが1983年で、これを「腰痛の天動説」としますと、今年は2011年ですから、すでに28年が経過したことになります。

腰痛が椎間板ヘルニアなどの構造的な異常が原因ではなく、筋筋膜のトラブルであるという説が社会的に認められるようになる「腰痛のパラダイムシフト」はいつ起きるのでしょうか?

天動説が地動説に変わらなくても、我々庶民の生活にはあまり影響がありませんが、「痛みのパラダイムシフト」は一日でも早く行われなければ、痛みで苦しみ、生活の質が低下して困っている方は増え続けます。

私たちは新パラダイムである「筋痛説」での解決事例を世に多く提示し、これを拠り所とする医師や治療家の数を増やさなければなりません。

胆石の方が右肩に痛みを感じたり、心疾患の方が左腕に痛みを感じたりする現象を「関連痛」と言い、医療界でも診断に使われているように、痛みと内蔵機能の低下は深い関連性があります。

チェコの医師カレル・ルイ氏は。痛みと内臓疾患に関して次のように述べています。

MelzacとWall(1965)、そしてMilneら(1981)は、一つの分節内のすべての構造から来る侵害刺激は、脊髄基底核の第5層の細胞に集まることを示した。これはもちろんつい感関節の関節包内の受容器から来る痛みや、内臓から来る痛みにもあてはまる。 

従って、運動系が内臓痛を模しやすく、内臓痛が運動系の痛みを模しやすいことや、これが鑑別診断において考慮すべき重要な部分を構成していることは容易に理解できる。

もし分節障害(ブロック、筋スパズム、痛点など)の治療後に、再発の傾向がみられれば、内臓疾患が以前として活動的であるか、それとも内臓疾患もまた再発していると結論づけなければならない。
これは、われわれには診断の為ばかりでなく予後の為にも重要な情報源があることを示している。

このように、痛みが内臓疾患から来ているかを鑑別することも需要ですし、内臓疾患が痛みを治りにくくしたり、増強している点も見逃せないのです。また、筋のトラブルが内蔵機能の低下を招き、痛みが悪循環することから、痛み治療において、内蔵機能との関連は重要なテーマであると言えます。

長年、痛みで苦しんでおられる方は、多くの場合内蔵機能に低下がみられ、このために痛み治療に反応しにくく、また再発しやすい体質になっている事があります。このような場合は、内蔵機能の回復を図る徒手療法が効果を発揮します。

オステオパシードクターのチャップマン氏は、内蔵機能の低下が体表面の痛点として表れる事を示し、その痛点の治療によって、内蔵機能を回復させる徒手療法(チャップマン反射)を開発しています。

京都市の名倉堂接骨院の稲川先生が、ブログでこのチャップマン反射の治療法を紹介されていますので、参考にされて下さい。

 ・甲状腺 心疾患⇒
 ・喘息、肺炎、気道の疾患⇒
 ・むくみ 全身の倦怠感 重度のうつ症状⇒
 ・肩、腕、手、指の激しい痛み。特に夜間に悪化する痛み⇒

 など、13項目に亘って書いておられます。

 

先日「椎間板変性と痛みについて」書かれた
江原鍼灸接骨院院長 江原吉昭先生のブログを紹介しましたが、
今回は、チェコの医師カレル・ルイ氏の著書からご紹介します。

 ・椎間板変性と痛みについて⇒
 ・江原鍼灸接骨院⇒

カレル・ルイ著 「徒手医学のリハビリテーション」 より引用

「形態学的側面」

変性は老化と共に増加するが、腰痛に関して言えば、
40代から60代に最も多く起こり、高齢者ではむしろ少なくなる。

完全な健康体の人に変性が顕著に見られる場合もあるかと思えば、
変性と深刻な痛みの両方がある患者が、痛みだけは完全に消えるが、
変性の方は加齢と共に増加し続ける。

また反対に、変性が全くない若い患者に、
ひどい痛みの症状がみられる事がある。

さらに重要なのは、変性として知られているものの意味が、
かなり曖昧に思われる事である。

四肢の関節には、股関節症や膝関節症といった、
誰もがその臨床的な重要性を疑わない破壊的な病変が起こるが、
その一方で不可避的な「すり切れ(wearand tear)」と呼ばれるような変化や、
また側弯症や過度運動性のような代償性の過程や順応といったものも起こる。

脊椎すべり症の場合、大きな骨棘が整形外科的手術よりも
脊柱の安定化効果をもたらすことがある。
また、外傷によって生じた変化は
変性と呼ばれるものに非常に似ている事がある。

 従って我々は変性の個々のケースについて、
その変化が臨床的に有意なものであるか否かを慎重に考察するべきである。
X旋写真に変性がみられると言うだけで臨床的な結論にいたるのは軽率である。

(中略)

腰痛やその関連疾患に関係していることが多い形態学的変化を再確認してみると
こうした変化は、私たちが目にする大多数の患者の訴えを説明していないのは容易にわかる。

このことはまた、このタイプの患者が「突発性腰痛」
あるいは「異常を伴わない痛み」
さらには「診断のつかない痛み」(非特異的腰痛:Jayson,1970)と
あいまいに表現される理由でもある。

しかし、こうしたタイプの患者の数の大きさを考えれば
このような状態が続くことは臨床医学の信頼性にとって由々しき事態である


以上 引用終了(下線は佐藤)

構造的な変性は加齢と共に増加しますので、中年以降の方が痛みで医療機関を受診すれば
何らかの異常は見つかります。

しかし、見つかった構造的な異常が、「痛み」とは関連性がない場合も多く
的外れな治療が続くことになります。

カレル・ルイ氏の指摘をわれわれは重く受けとめなければならないと思います。

2011年3月6日(日)に長崎市で「痛みが楽になるセミナー」を開催することが決まりました。
長崎県では初のセミナーですので、痛みで困っておられる多くの方に参加していただきたいものです。

  詳細はこちらをご覧下さい⇒

腰痛で医療機関を受診すると、「腰椎がつぶれている」「椎間が狭くなっている」「椎骨が変形している」などの指摘を受け、これらが痛みの原因とされることが多いのですが、これら椎間板の変性と痛みとの関係についてははっきりと関連性があるとは言えないのです。

下図をご覧下さい。これはTMS-Japanの長谷川淳史先生が開催されています「TMSメソッド」のデータです。

  腰痛患者(200名) 健常者(200名)
脊椎すべり症 1.5% 2.5%
腰椎移行椎 13.5% 9.5%
潜在性二分脊椎 3.0% 26.0%
椎間狭小 21.5% 31.0%
変形性脊椎症 20.0% 34.0%
脊柱側弯症 30.0% 45.5%
腰椎前弯過剰 1.0% 2.5%
腰椎前弯減少 22.0% 22.0%
骨粗鬆症 1.0% 2.5%
椎体圧迫骨折 0.0% 10.5%

このように、「腰痛患者」と「健常者」のデータが入れ替わっているんじゃないか?と言いたくなるほど、腰に痛みを感じていない「健常者」でも、腰椎の変性は多く見られるのです。

かと言って、人体の複雑精緻な機構のすべてが明らかになっているわけではありませんので、「関連性がない」という証明もできません。

これらのことについて、京都市の江原鍼灸整骨院を経営されている江原吉昭先生がブログに書かれていますので是非ご一読下さい。

 記事⇒ http://eba2005.exblog.jp/15548157/


パソコンに向かって長時間仕事をした後や遠方までドライブをした後に感じるこわばり(運動制限・ブロック)をほぐすために、背伸びをしたり、軽く身体を捻ったりすることを私たちは日常的によく行っています。

このようなちょっとしたこわばり感は誰しも経験しているありふれた現象です。こういったこわばりは、休息したり軽い運動をする事で通常は治まって行くのですが、それがいつまでも残るようになり、さらに他の部位へ拡がって、トリガーポイントが生じ、痛みを感じるまでに進む事があります。

パソコンに向かった仕事を続けたり、長時間の運転をすると言うことは、同じ姿勢を強いられる為に、姿勢を維持するために働く姿勢筋が酷使されます。近代の社会生活は、この姿勢筋を酷使することが多くなっていますので、腰や肩に違和感や痛みを感じる方も多くなっています。

同じような仕事をしていても、腰や肩にコリや痛みを感じない方もいれば、短時間でも辛くなってしまう方がいます。この違いは何でしょう?

私たちはいつの間にか獲得した特徴的な動きや姿勢の癖(パターン)を持っていますので、遠くを歩く家族や友人を見分ける事ができます。 また、足首を捻挫したり、怪我をしたりすると、その痛みをかばうために違った運動パターンを身につけてしまう事もよくあることです。 

このように、いつの間にか獲得した運動パターンが、筋に負担が掛からない合理的な動きや姿勢であれば良いのですが、不合理な動きや姿勢を身につけてしまっている人は、こりや痛みがなかなか治りにくく慢性化してしまいます。 

身体にこわばり(運動制限・ブロック)が生じ、治りにくくなる要因はいろいろありますが、最も大きな要因はこの「いつの間にか身につけた障害された運動パターン」です。 これは脳によって制御されているパターンですので、気づくことが難しく、正しい動きにリセットするためには、自らが行う運動療法が最も有効です。

ヨガやストレッチなど様々な運動療法がありますが、脳と身体の情報交換を通じて、障害された運動パターンを修正するには、「フェルデンクライス・メソッド」がお勧めです。できるだけ力を使わず、できるだけ小さな動きをすることで、筋の微細な感覚を脳に伝え、誤った制御を書き換えて行くのです。

トリガーポイントに着目して筋の状態を正常化して行くエクササイズにプラスして、脳と身体の情報交換を通じて、傷害された運動パターンを修正して行くエクササイズを行えば、痛みやコリが軽減され、さらに代謝の良い身体へと変化して行きます。

このようなエクササイズを学べる所が京都市でスタートしています
痛みやこりで困っておられる方は一度体験されて下さい。

2010年12月スタート⇒ 名倉堂接骨院:トリガーポイント・エクササイズ講座

2011年01月スタート⇒ 江原鍼灸整骨院:トリガーポイント・エクササイズ教室

参考書籍⇒ 「フェルデンクライスの脳と体のエクササイズ―健康とリラックス、フィットネスのためのらくらくエクササイズ

トリガーポイント関連のリンク先として「痛み専門治療室 Heart」さんを追加させて頂きました。

「痛み専門治療室 Heart」 の亀田祐旭先生は、身体の冷えや腸内環境から体液の循環が低下する事によって、筋の緊張がトリガーポイントを生じさせるという観点から、単に局所の治療だけにとどまらない施術を行われています。

5年ほど前に、加茂淳先生の講演をお聞きになった経験から、トリガーポイントが痛みの本体である事を確信し、トリガーポイントの治療に専念されていています。

名古屋市周辺の方はぜひご相談下さい。

     痛み専門治療室 Heart さんのサイトはこちら⇒

     トリガーポイント関連リンクはこちら ⇒
 

「9割の病気は自分で治せる」という本を書かれた岡本裕先生が、今度は「9割の医者は、がんを誤解している! 」という本を出されました。まえがきを要約してご紹介します。

まず皆さんに質問です。「胃ガンは胃の病気でしょうか?」もしも胃ガンが胃だけの病気であれば、胃を切り取ってしまえばガンは治る事になりますが、実際には胃を切り取っても再発したり別の臓器に転移したりします。 つまりガンは臓器の病気ではなく、全身の病気なので胃を切り取っても治らない事があるのです。

ガンに対する根本的な誤解は、現れたガンそのものをガンのすべてだと思ってしまうことです。ガンは枝葉に過ぎず、主犯格は別に控えています。医者の多くは主犯格に目を向けず、部分にしか過ぎないガンを治療しようとし、目に見えるガンに対処できれば、治療に成功したと誤解しています。

ガンの三大療法(手術、放射線、抗ガン剤)の進歩のお陰で、一次的にガンが姿を消すことがありますが、依然として元凶は改善されていませんのでいずれまた息を吹き返して来ます。
これが「再発」「転移」と呼ばれているものです。

ガンは全身の免疫力と栄養が低下した状態です。ですからガンが発生した部位を切り取っても全身の免疫力を強化し、栄養状態を改善しないと、やがて再発したり新たなガンが発生してきます。 

この考え方は現代の「痛み医療」にも当てはまります。現代の痛み医療も、膝が痛ければ膝を治療し、腰が痛ければ腰を治療します。しかし、膝や腰の痛みは枝葉に過ぎず、実はその元凶となる「姿勢筋のアンバランス」や「内臓機能の障害」、「関節の拘縮」などがあります。

これらの元凶を治療せずに局所の治療を行っても、効果は上がりにくく、再発しやすくなります。「痛み」も全身の症状として治療を行う必要があります。「痛み医療」もガンの治療と同様に、誤解されたままになってます。

トリガーポイントについての研究論文を数多く発表されている
大分市の山下クリニックの山下徳治郎先生がサイトをリニューアルされました。

「痛み」と「不定愁訴」の治療を前面に打ち出されています。

九州地区ではトリガーポイント治療をされる医療機関が少ないので
サイトのリニューアルを契機に
山下先生がますますご活躍される事と期待しています。

  山下クリニック⇒

痛みを緩和する上で重要な視点は次の二つです。

① 痛む場所に原因がない「関連痛現象」をチェックする。
② 痛みの連鎖反応をたどり、痛みの元に迫る。

「関連痛」についてはトリガーポイント研究所の本文で詳しく述べていますので、
そちらを参照して下さい。 「関連痛」ってなに?⇒

さて、二つ目の視点の「痛みの連鎖をたどる」という事について考えてみたいと思います。

身体は内外の変化や障害に対して、ユニットとして対応しますので、
身体のどこかにトラブルが発生すると身体全体に何らかの変化が生じます。

その変化には一定のパターンがありますので、
変化をチェックすることでどのような連鎖が起きているかを推定することができます。

例えば、大胸筋や小胸筋にトラブルが発生し、筋の緊張やトリガーポイントが生じた場合、
上背部の筋が引っ張られて緊張するという連鎖が生じます。

背部に凝りや痛みを感じるようになり、その部位を指圧したりマッサージしてもらうと
とても気持ち良く感じますし楽になってきます。
しかしその効果は一時的で、またすぐに凝りや痛みを感じるようになります。

これは背部の緊張が胸部の筋のトラブルによって引き起こされた二次的なものだからです。
この場合、痛みや凝りは背部で感じていても、胸部の筋を処理することで、
背部の筋に触れることなく背部の緊張は緩和します。
2dcb24ad.jpg











そこで、背部の筋は「子ガメ」で胸部の筋が「親ガメ」と考えて下さい。
親ガメ(胸部の筋)がこけたら子ガメ(背部の筋)もこけるのです。

さらに背部の筋の緊張によって後頭部に痛みを感じていたとしましょう。
この後頭部の痛みは「孫ガメ」にあたります。

後頭部が痛むからとマッサージすると確かに気持ちいいし、痛みも緩和してきます。
しかしその効果は一時的で、またすぐにほぐさなければならなくなります。

このような連鎖の時は「親ガメ」である胸部の筋を弛めると
「子ガメ」も「孫ガメ」もこけて、後頭部の痛みは楽になります。

このように障害の連鎖を把握することは痛み治療において重要な要素です。
いま痛みを感じている所だけにとらわれず、連鎖をチェックして、
元となっている障害に近づいて行くことが大切です。
 

現在の痛み治療には多くの方が疑問を持っていると思います。

しかし、それを何とかしようと、実際に行動を起こしている方は少ないでしょう。

腰痛患者の撲滅を目指す「グリーンライトネットワーク」という組織があります。岩手県奥州市在住の高橋直子さんが代表をされているボランティア組織で、腰痛の見方や考え方を変えるという「認識療法」や、操体法や自力整体法などの運動療法の普及活動をされています。

私も以前少しだけお手伝いをさせて頂いた関係で、このほど代表の高橋さんから「腰痛患者さんのためのガイドブック」をプレゼントして頂きました。

主な内容は次の通りです。

 1,腰痛患者は増え続けている! 
 2,現代の腰痛治療に決め手はない!? 
 3,今まで言われてきた腰痛常識は本当? 
 4,腰痛の常識を検証してみましょう。 
 5,専門家の見解 
 6.腰痛診療ガイドライン 
 7.腰痛になっても安心!安全!ほとんどの腰痛は自然治癒します! 
 8.「イエローフラッグ」とは?? 
 9.もし腰痛が発症したら・・・ 
10.イエローフラッグを減らしましょう! 
11.腰痛克服の為のゴールデンルール 

これを読むと腰痛への恐れや不安が減り、腰痛克服への希望が見えて来ると思います。

私も治療の中で「認識療法」を重要視していますが、このような活動が拡がることを切に願います。
 

~猫背を引き起こし様々な症状へと連鎖する~

トリガーポイント研究所には様々なご相談が寄せられますが、
腰痛に次いで多いご相談が首や肩の症状です。

首や肩の症状には胸部の筋の影響が大きいのですが、
セラピーにおいて「胸部」の治療は軽視されているように思います。

胸部には「大胸筋」「小胸筋」「鎖骨下筋」などがありますが、
これらはいずれも腕や肘、手や手指まで痛みを放散したり、しびれ感を生じさせたりします。

また、「大胸筋」や「小胸筋」が緊張しますと、肩が前方に引っ張られて、猫背気味となります。猫背になりますと首が前傾した状態となり、首周囲や肩の筋肉に過負荷が掛かるようになります。皆さんも肩を前に突き出して猫背になってみて下さい。首が真っ直ぐになりにくくなるのを感じるでしょう。

この姿勢の為、首や肩が凝りやすくなりますし、首や肩の筋は「めまい」「ふらつき」「頭痛」「顎の痛み」「耳鳴り」など様々な症状を引き起こします。また気分の落ち込みにも関与していて、うつ的な症状も現れてきます。つまり症状の連鎖が始まると言うことです。

その意味で胸筋のマッサージをして緊張を緩め、自然と首が真っ直ぐになる姿勢を保つようにする事は重要です。

下図は大胸筋のトリガーポイントを表していますが、大胸筋は上腕骨-鎖骨、上腕骨-胸骨、上腕骨-肋骨につながっています。この図を見ながら、腕から鎖骨にかけてのライン、腕から胸骨にかけてのライン、腕から肋骨にかけてのラインをマッサージされて下さい。


イラスト図 出典:『Myofascial pain and Dysfunction The Trigger Point Manual』 より引用

トリガーポイント研究所の活動を応援して頂ける
「サポート会員」と「賛助会員」の募集をしていますが、
思いがけず多くの方に賛同を頂いています。

関東へ出かける事ができる資金をお預かりする事ができましたので、
今年の秋には関東地区で一般の方向けのセミナーと
治療家の方を対象とした勉強会を開催しようと考えています。

現在、神奈川県在住のサポート会員の方に
会場の手配をお願いしています。

日程や場所など詳細が決まりましたら
ご案内します。

京都府の治療家の方からメールを頂き、
筋筋膜性疼痛症候群(MPS)の考え方を取り入れた
整体講座を開催する運びとなりました。

トリガーポイント研究所には、痛みで困っている方々から
毎日、メールやお電話を頂いておりますが
そのほとんどが重症の方ばかりです。

トリガーポイント治療ができる医療機関や治療家の方をご紹介したいのですが
MPS研究会で紹介されている医療機関は全国で19ヶ所しかありませんし
トリガーポイントの視点で治療されている方の情報は残念ながら持ち合わせていません。

そこで何とか治療家の方々のネットワーク作りをしたいと思っていた矢先に
このようなお誘いを頂き、本当にありがたいと思っております。

今後、各地でトリガーポイント整体法の勉強会や講座を開催できれば
痛みで困っておられる方のお役に立つネットワーク作りができると思っています。

今回行いますトリガーポイント整体講座の募集要項は
下記のサイトでご案内しています。
関西地区の治療家の方々のご参加をお待ちしております。

 トリガーポイント整体講座 募集要項⇒
5)なぜ手術で治る人がいるのでしょう。

構造的な異常と痛みの間にはっきりとした関係がみられないのに
手術によって構造的な異常を修復すると
痛みが解放される方がいるのはどうしてなのでしょう。

私の仮説ですが、下記の3つを考えています
a3641617.jpg







①プラシーボ効果(偽薬効果)

プラシーボ効果とは、何の薬理効果がないはずのものでも
心理的な要因などが関わって効いてしまうという現象です。

しかし、多くの研究で侮れないほどの効果を現す事がわかっています。

下記表は見せかけの手術や治療でも
すばらしい改善を見せた事を示すデータです。
fbd9b2c3.jpg






例えば、一番上の研究は、腰下肢痛の症状で、
試験切開をしただけに過ぎないのに、
37%~43%の人に効果があったというものです。

従って私たちは「手術を受けた」という心理的な効果だけでも
痛みが軽減したり消失したりすることがあると言うことです。

②脳内リセット効果

「脳内リセット効果」というのは、日本医科大学のリウマチ専門医
吉野教授が提唱されているものです。
51019908.jpg






教授はリウマチ治療の研究の一環として
大笑いや大泣きで脳がリセットされて
ストレスホルモンが低減することを確認されています。

また、それと同様の効果があるものとして
手術などに於ける全身麻酔を挙げられています。

この事は全身麻酔を受けることで、
脳内で悪循環していた痛みがリセットされて
痛みが軽減もしくは消失することを示しています。

③構造の異常が修復された事による効果

徒手治療のオステオパシーの治療原則は次の通りです。

1,人体は一つのユニットである。
2,人体の構造と機能は相互に関連する。
3,人体は自己管理、自然治癒力を持っている。

身体は一つのユニットを作り上げていて
構造と機能が相互に関連するとしているということは
機能の障害は構造の変化として現れますし
構造の変化は機能障害として現れる事があると言うことです。

つまり、椎間板ヘルニアなどの構造の異常は
直接的な痛みの原因ではないとしても
機能的な障害をもたらしている可能性はあります。

そして手術によって構造の異常が正されたとき
機能障害が回復し、機能障害によって阻害されていた治癒力が改善し
痛みが軽減もしくは消失している可能性もあると考えます。
4)画像検査の問題点

これまで「腰痛」や「膝の痛み」で検討したように、
構造上の異常と痛みの関係ははっきりしませんし
次のような研究もあります。
ef5db75e.jpg






一つ目の研究は、1年間に亘って、腰部をMRIで繰り返し撮影したという研究です。
この調査期間中に腰痛を発症した人がいたのですが、
MRI所見には異常が見られませんでした。

つまり繰り返し撮影していたにも関わらず
痛みの原因は見えなかったという事です。

画像診断と腰痛との間には関連性が見られないという研究が数多くあり、
二つ目の研究もこの事を裏付けています。

3e71691e.jpg






画像診断で痛みの原因がわからないのに、
我が国ではまだまだX線撮影が行われています。

そして、我が国のX線撮影は他の先進諸国に比べて異常に多く
イギリスの医学雑誌ランセットでは、
その為に日本ではX線被曝による「ガン」が発症していると警告しています。
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プロフィール
HN:
佐藤 恒士
年齢:
71
性別:
男性
誕生日:
1952/10/27
趣味:
写真撮影
自己紹介:
福岡県福岡市在住。

趣味は五十の手習いで始めた写真撮影。

カイロプラクティック、オステオパシー、整体法、心身医学などの研究を通して、故ジョン・F・ケネディ大統領の主治医だったトラベル博士と、航空宇宙医学の研究者だったサイモン博士が発表した「筋膜痛と機能障害」の論文に出会い、トリガーポイントの存在を知る。

その後、トリガーポイント・ブロックで治療を行われている、石川県小松市の整形外科医、加茂淳先生に出会い、痛みの原因がトリガーポイントにある事を確信する。

トリガーポイントの考え方を整体法治療プログラムに取り入れた、「トリガーポイント整体法」と、自分で痛みを軽減する「トリガーポイント・エクササイズ」を開発し、後進の育成に力を注いでいる。

また、トリガーポイントの事を多くの方に知って頂く事が、痛みで苦しんでいる方々に光と希望を与え、痛みを軽減する事になると、講演会などを通じて啓蒙活動を行っている。
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